人懐っこい武藤さんは山の仲間だけでなく、出会う人次々と親しくなってしまう方でしたけど、新宿西口に50年以上前、「マルセリーノ」というバーが出来たころから通い始め、マスターはじめそこに集まる常連さんみんなと仲間のようになっていたのですね。
そこはやがて登山好きと、クラシック音楽家が多く集まるようになり、東京シティフィルのヴィオラ奏者の女性がカウンターに入ってお手伝いしていたりと、なんともアットホームな雰囲気になっていましたが、数年前、長年の歴史に幕を降ろしました。
ただ、この空間が消えてしまうのは惜しいと、武藤さんが音頭を取って自宅にある蔵に、マルセリーノのカウンターや内装品を運び込んで、蔵の中にバー・マルセリーノを再現。時々仲間が集まっては飲み会をやっていたのです。
写真はその「蔵バー・マルセリーノ」

今回の偲ぶ会にはマルセリーノのマスターも来て下さり、久しぶりに腕を振るってカクテルのあれこれを作って下さいました。昔からの常連客の皆さんも参加。「あの頃」の再現を楽しんでいましたね。

僕は残念ながら車を運転して帰るので飲むわけにいきませんでしたけど、マスターから「次の機会にはぜひ!」と、お誘いいただきました。とても楽しかったので、毎年やろうと言うことに。
こういう大胆な大人の遊び、これをやり通したのが武藤昭と言う方の真骨頂だったのかもしれません。